2013-07-25 詩「昔話」 日記 #詩 「昔話」 毎日 すいとんと蒸かし芋 飢えで泣く子に 飲ませる乳もない やがて粉さえ手に入らなくなり 毎日が芋ばかりになった 昔は 6人家族で芋が4つしか手に入らない日でも お隣に「今日は 芋も手に入らない」 と言えば 少し分けてくれるし 乳が出ないと言えば 若い母親が自分の子に飲ませる量を減らしてでも 何人もの赤子に飲ませてやっていたものだ 今の時代は 豊か過ぎて その分心が貧しく見えて 仕方ないねぇ 人情なんて言葉は 必要ないのだろうか 今の人達が ある日突然 神隠しにあって あの時代に放り込まれたら きっと お隣に見えないよう 芋をヘソクリするだろう 完