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つるし雲(天空の城ラピュタ)

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 空気が何らかの力を受けて上昇すると、膨張して温度が下がり、水蒸気が凝結して雲粒ができます。空気が上昇する原因として、風(気流)が山にぶつかって乗り越えることや、山を回り込んだりするときに出来る渦があります。

f:id:twoman6954rx:20210429062841g:plain(図1)

f:id:twoman6954rx:20210429062906j:plain(写真1)

 (図1)のように山を越える気流が凝結高度を越えると山の上につるんとした雲が出来ます。その形が笠に似ているので、「笠雲(かさぐも)」と呼ばれています。笠雲ができることで有名なのが富士山ですね。

f:id:twoman6954rx:20210429063039g:plain(図2)
 富士山の特徴的な雲は笠雲だけではありません。富士山の風下方向には独特な形をした雲ができます。この雲は(図2)のように気流が富士山を越えるときできた上下方向の波の上に発生し、「吊るし雲(つるしぐも)」といいます。吊るし雲にはコマみたいな形をした雲や、飛行機の翼みたいな形というかブーメランのような形の雲があります。

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 富士山の雲が体系的に分類され、このような名前が付けられたのは戦前です。分類したのは、阿部直正公爵(理学博士)です。戦後もこれらの雲に再び関心が向きました。気象庁気象研究所の人たちにより、写真撮影による位置や高さの観測や、高層気象データによる解析、数値実験などでこれらの雲の発生の仕組みが研究されました。その中で吊るし雲については、90年代に家政大学の先生(元気象研究所)が複数方向からの写真撮影による観測だけでなく、気象衛星(ランドサット)の雲画像を使って発生位置の解析を行っています。
<BioWeatherService(バイオ-ウエザー-サービス)https://www.bioweather.net/より>